介護現場では、入所者の清潔を保つ為に入浴介助があります。精神的にもリラックスできるので、入所者にとっては楽しみな時間です。ただ、入浴は意外と体に負担がかかる行為でもあるので、慎重に作業しないといけません。特に、寒い時期は血圧の変動が激しくなるので、急病の発症確率が高くなります。入所者も楽しみにしている入浴タイムで事故が発生しないように注意するのは、介護職員の役目です。基本的にはマニュアル通りに入浴介助をしますが、入浴者の状態に合わせて臨機応変な対応が求められます。
一番の注意ポイントとしては、お湯の温度です。熱すぎると火傷をしますし、体への負担も大きくなります。逆に低温過ぎると、入浴者が温まらずに体調を崩すかもしれません。温度調節は、入浴者とコミュニケーションをしてすることも大切ですが、高齢者は皮膚の感度が落ちているので温度を感じにくい状態です。つまり、入浴者が温いと言ってもその言葉だけで温度を上げるのは危険なのです。きちんと温度を確認して、適温であることを伝えて理解してもらう必要があります。
さらに、入浴するということは、体の汚れをしっかり落とすことがポイントです。下半身はもちろん、背中や腋など体の隅々を洗います。洗い方が不十分であれば、体臭や痒みなど不快な症状に悩まされるので、ストレスが溜まってしまいます。人の体を洗うという経験はなかなか経験できるものではありませんが、介護職として避けられない仕事です。そのため、入浴介助について勉強したり、経験を積み重ねることが大切なのです。